健康診断で高血糖、高血圧、高脂血症、肥満などを指摘されたことのある人は多いでしょう。異常の程度が軽くても、これらは相互にからみあって糖尿病や心臓病などの生活習慣病のリスクを何倍にも高めます。こうした生活習慣病のメカニズムに歯周病が影響しているらしいことがわかってきました。
歯周病は、細菌の感染による慢性の炎症によっておこる病気です。細菌のつくる毒素や炎症をひきおこす物質が、歯肉の炎症のある部位から血液中に入り込み、全身に伝わり悪影響をおよぼす可能性があるのです。
また、糖尿病や骨粗しょう症などがあると歯周病が進行しやすく、治りも悪いことがわかってきました。
歯周病と全身疾患との関連を理解し、歯周病の予防や生活習慣病の予防をおこなうことが双方の疾患において大切だといえます。
「歯周病と全身の関わり」より 発行 社団法人日本歯科医師会